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甲府城(舞鶴城公園)を巡る!歴史・見どころ・アクセス完全ガイド

山梨・甲府おすすめ観光情報

2025.10.19

甲府城は“舞鶴城”の名でも親しまれ、その名は白壁の重なり合う美しさが「鶴が羽を広げて舞う姿」を思わせることに由来します。甲府城址は、平成31年(2019年)2月26日に国指定史跡に登録されました。現在は「甲府市歴史公園」と、JR中央線を挟んで南側は「舞鶴城公園」として整備され、地元の人々の憩いの場となっています。築城の歴史から現在の姿までをたどりながら、迫力ある石垣や復元建築の見どころを紹介。さらに、アクセス方法やおすすめ散策コースまで、甲府城を存分に楽しむためのポイントをお届けします。甲府城の魅力を存分に感じ、思い出に残る一日を過ごしてみてください。

甲府城(舞鶴城公園)とは?その概要と魅力

山梨県の県庁所在地、甲府市に天守台が遺る甲府城は、戦国の世に築かれ、江戸時代には甲府藩の中心として栄えた歴史ある城址です。JR中央線の甲府駅南口からほど近くにあり、現在は「舞鶴城公園」「甲府市歴史公園」として整備され、市民や観光客に親しまれる憩いの場となっています。かつての威容を伝える石垣や復元された櫓(やぐら)が、訪れる人々に歴史の息吹を感じさせてくれます。

甲府城の基本情報と歴史的背景

甲府城は、戦国を代表する現在の山梨県である甲斐国の名将、武田信玄が率いた武田氏滅亡後、豊臣秀吉の命により築城が始まったと伝わる、重要な拠点でした。甲斐国の中心として、江戸時代には徳川家康の腹心や親藩大名が城主を務め、江戸幕府にとっての要衝としての役割を担いました。その堅牢な造りは、当時の技術の粋を集めたものとして知られています。

項目内容
所在地山梨県甲府市丸の内1丁目5-4
築城開始1590年頃(豊臣秀吉の命による)
主な城主加藤光泰、浅野長政、徳川義直、徳川綱重など
別名舞鶴城

舞鶴城公園としての現在の姿

明治維新後、廃城令により取り壊された甲府城ですが、その跡地は「舞鶴城公園」として生まれ変わりました。広々とした園内には、当時の面影を伝える石垣が残り、近年では「稲荷櫓」や「甲府市歴史公園」に「山手御門」などが復元され、歴史を身近に感じられる場所となっています。春には桜、夏には紫陽花、秋には紅葉が美しく、四季折々の自然と歴史が調和した景色を楽しめます。

甲府駅からすぐというアクセスしやすい立地も魅力の一つ。散策路が整備され、訪れる人々が心地よく過ごせるよう工夫されています。お城の歴史に触れながら、のんびりと過ごす時間もまた、舞鶴城公園の大きな魅力です。

園内に建つ謝恩碑

舞鶴城公園の園内に建つ、高さ約30.3mの、ひときわ目を引く石造りの記念碑。構造は「碑台」「碑身」「方維体(ピラミッド型)」から成り、碑身は十個の花崗岩を積み上げたオベリスク形。碑台は古代エジプトの神殿門「パイロン」を模した独特の意匠です。使用された花崗岩は、旧皇室山林(現在の甲州市神金地区)から切り出されたもの。明治末期に度重なった水害をきっかけに、明治天皇から御料地が下賜され、森林保全を進める契機となりました。謝恩碑はその「恩賜林」を記念して建立されたものです。

甲府城の歴史を紐解く

築城の背景と豊臣秀吉の関与

甲府城が築かれたのは、戦国の世が終わりを告げようとする頃、豊臣秀吉が天下を統一していく中で、甲斐国(現在の山梨県)を治める拠点としてでした。武田氏が滅亡した後、この地は徳川家康が一時的に支配しましたが、秀吉の天下統一が進むにつれて、甲斐国は豊臣政権の直轄地、あるいは重要な大名の領地となっていきました。

秀吉は、家臣である加藤光泰や浅野長政らに命じ、甲斐国の中心である甲府に新しい城を築くよう指示しました。これは、東国の抑えとして、また徳川家康を監視する意味合いも持っていたと考えられています。大規模な石垣が築かれましたが、秀吉の死去や関ヶ原の戦いの影響で、計画された天守は完成することなく、城の姿は大きく変わっていきます。

徳川時代から現代までの甲府城の変遷

徳川家康による整備と甲府藩の成立

関ヶ原の戦いで天下を掌握した徳川家康は、甲府城の重要性を深く理解していました。東国の要衝であるこの城を、幕府の直轄地として、あるいは信頼できる譜代大名に任せることで、江戸の防衛線として、また甲斐国の統治拠点として整備を進めました。

甲府城は、徳川家康の息子である徳川義直(後の尾張藩主)が城主となったことを皮切りに、徳川御三家の一つである水戸徳川家からも城主が送られるなど、重要な役割を担いました。特に、江戸幕府5代将軍徳川綱吉の時代には、柳沢吉保が甲府藩主となり、城郭の整備や城下町の発展に力を尽くし、甲府の繁栄を築き上げました。

明治維新から現代へ

江戸時代が終わり、明治維新を迎えると、甲府城もその歴史的な役割を終えることになります。明治政府が出した廃城令により、多くの建物が取り壊され、広大な敷地は徐々にその姿を変えていきました。かつての壮大な城郭は、石垣を残すのみとなりましたが、その後、公園として整備され、人々の憩いの場となっていきました。

昭和に入り、そして平成、令和と時代が進むにつれて、甲府城の歴史的価値が見直され、本格的な発掘調査と復元事業が始まりました。これにより、失われたと思われた城の姿が、少しずつ現代に蘇り始めています。

復元された門や櫓の姿と意義

現代に復元された門や櫓の姿は、訪れる人々に当時の歴史を肌で感じる機会を与えてくれます。山手御門や稲荷櫓、鍛冶曲輪など、かつての姿を忠実に再現した建物は、江戸時代の建築技術や城郭の構造を学ぶ上で貴重な存在です。

これらの復元は、ただ建物を建て直すだけでなく、甲府城が果たした歴史的な役割や、甲府のまちの発展にどのように関わってきたのかを再認識する意義を持っています。往時の堅固な石垣と、復元された建物が織りなす景観は、訪れる人々の心に深く響き、歴史への想像力をかき立ててくれます。

甲府城(舞鶴城公園)の見どころ

圧巻の石垣群と天守台

甲府城の石垣は、築城当時の面影を今に伝える大切な部分です。戦国時代末期から江戸時代にかけて築かれた石垣には、野面積みや打込接ぎといった、時代ごとの異なる築城技術を見ることができます。特に、天守台や甲府城東側の高い石垣は、その規模と美しさに思わず見入ってしまいます。

天守台は、かつて甲府城の象徴である壮大な天守がそびえていたかも知れない場所です。ここからは甲府盆地を一望でき、天気の良い日には富士山や南アルプスの雄大な山々を眺めることができ、マジックアワーの夕景も美しいです。

当時の城主もこの景色を眺めていたのかと、歴史に思いを馳せるひとときを過ごせます。稲荷櫓周辺の石垣には、石を加工した職人の「刻印」が残されている場所もあり、探しながら散策するのも楽しい体験です。

復元された櫓や門の建築美

舞鶴城公園では、歴史的な考証に基づいて復元された櫓や門が、当時の城の姿を伝えています。一つひとつの建築物には、当時の技術と人々の思いが込められています。

主な復元建築物には、次のものがあります。

復元年名称特徴
平成9年(1997年)鍛冶曲輪門(かじくるわもん)
鍛冶曲輪門は、敵の侵入を防ぐための「枡形門(ますがたもん)」構造で、門をくぐった先が直進できない造り。防御性が高く、実戦的な城門。
現在の門は、史料や発掘調査をもとに平成9年(1997年)に復元されたもので、木造の重厚な姿で切妻造に本瓦葺の佇まいは往時の風格を感じさせます。
平成11年(1999年)内松陰門(うちまつかげもん)
内松陰門は、甲府城の屋形曲輪と二の丸を結ぶ門で、本丸北西側に位置します。構造は高麗門形式で、正面の大きな柱に冠木を渡し、本瓦葺の切妻屋根をのせた力強い造りです。
稲荷曲輪門(いなりくるわもん)
稲荷曲輪門は、稲荷曲輪と鍛冶曲輪を結ぶ門で、天守台の下方南に位置します。内松陰門と同様に、高麗門の切妻造で本瓦葺です。
平成16年(2004年)稲荷櫓(いなりやぐら)
稲荷櫓は、甲府城の稲荷曲輪北東隅に建つ入母屋造・本瓦葺の二重二層の櫓です。内部は木組みや壁の構造を間近に見られる展示スペースになっており、甲府城の歴史や構造について学ぶことができます。
平成19年(2007年)山手御門(やまのてごもん)

山手門(やまのてもん)と山手渡櫓門(やまのてわたりやぐらもん)は、甲府城の三大出入口の一つです。山手門は城門、渡櫓門は武器庫としての役割を担っていました。現在、渡櫓門内部は展示室となり、出土品や模型、歴史資料を公開。奥には展望スペースがあり、富士山や稲荷櫓を一望できます。
平成25年(2013年)鉄門(くろがねもん)
本丸と天守台の近くにあり、甲府城の防御の要だったことがうかがえる堅固な門です。

これらの復元された建物は、当時の建築技術や城郭の構造を今に伝える貴重な存在であり、甲府城の歴史を肌で感じることができます。

参考
『史跡甲府城跡整備基本計画』山梨県公式ホームページより
甲府市公式サイトより“甲府城”“歴史公園”について

舞鶴城公園の四季折々の魅力

舞鶴城公園は、一年を通して美しい表情を見せてくれる場所です。季節ごとに変わる公園の景色を、ぜひ散策しながら感じてみてください。

出典:甲府観光ナビー舞鶴城公園(甲府城跡)より

園内にはソメイヨシノやシダレザクラなどの桜が咲き誇ります。満開の時期には、歴史ある石垣と桜のコントラストがとてもきれいです。お花見を楽しむ人々で賑わい、春の訪れを感じさせます。

新緑がまぶしく、木々の緑が心地よい涼しさを運んでくれます。広々とした公園内で、ゆったりとした時間を過ごせます。

園内の様々な木々が色づき、美しい紅葉の景色が広がります。歴史的建造物と鮮やかな紅葉の組み合わせは、まさに絵になる風景です。

雪が降れば、白銀に包まれた城郭となり、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。凛とした冬の空気の中で、静かに歴史を感じられます。

歴史散策におすすめのコース

甲府城の歴史と見どころを効率よく巡るためのおすすめ散策コースはこちら!ご自身のペースに合わせてゆっくりと巡り、歴史を感じてみてください。

見どころ内容
1.甲府駅北口からスタート甲府市歴史公園の入り口はすぐそこです。                        
2.山手御門へ重厚な門をくぐり、展示エリア奥の展望スペースから、南側の舞鶴城公園を望みます。
3.あじさい広場方面へ甲州夢小路を通り抜け、線路沿いに東へ移動し、JR中央線の線路を渡ります。舞鶴城公園へ。
4.舞鶴城公園の稲荷櫓・鉄門を見学復元された櫓や門を見学し、当時の暮らしや防衛について学びます。
5.天守台へ最高の眺望ポイントで、甲府盆地の景色を堪能してください。
6.石垣群を散策壮大な石垣の造りや、職人の刻印を探しながら歴史を感じます。
7.自由広場で休憩広々とした空間で、石垣を眺めながらの休憩がおすすめです。

このコースで約1時間半から2時間ほどの散策を楽しめます。甲府城の魅力を存分に感じながら、心地よい時間を過ごしてみてください。

散策途中のおすすめ立ち寄りスポット

甲州夢小路

甲府駅北口すぐの「甲州夢小路」は、甲府城跡「甲府市歴史公園」に隣接する、レトロな雰囲気が魅力のスポットです。石畳の通り沿いには、蔵造りの建物が並び、カフェやグルメ、山梨の特産品を扱うショップが点在。歴史情緒あふれる街並みを散策しながら、ティータイムやお買い物をゆっくり楽しめます。

甲州夢小路を抜けて線路沿いを東へ進み、踏切を渡ると「舞鶴城公園」の北東入口に到着します。

踏切の近くには焼き鳥店や和菓子店が立ち並び、踏切を渡って南へ進むと、舞鶴城公園の東側に迫力ある高石垣がそびえます。その通り沿いには、カフェや飲食店も点在し、散策がさらに楽しくなります。

炉端やきとり 鳥のほそ道

丁寧に焼き上げた自慢の串焼きをはじめ、信州の蔵元から厳選した日本酒が豊富に揃います。特製の「タレ」と「塩」は、どちらも上品で深みのある味わい。焼き鳥はもちろん、手作りのおつまみもおすすめです!

炉端やきとり 鳥のほそ道 公式Instagram

五味餅菓子店

昭和3年創業の老舗和菓子店。名物のきび大福は、やさしい甘さともちもち食感が絶品です。豆餅や草餅、きなこ大福にみたらし焼きだんごなど、変わらぬ味わいで長く愛される手づくり和菓子がずらり。和菓子好きにはたまらないお店です。懐かしくてほっとする味をぜひお楽しみください。

rokuiro『お城のとなりのコーヒー屋さん』

石垣を間近に望むロケーションが魅力のカフェ。店内は色とりどりのドライフラワーで彩られ、ぬくもりのある落ち着いた雰囲気に包まれています。石垣を目当てに訪れるお客様も多く、お城好きのファンにも人気。香り高い珈琲と、山梨ならではの旬の果実を使ったスイーツで、ゆったりとしたひとときを楽しめます。

rokuiro 公式Instagram
参考:小江戸甲府こみちめぐり

たん焼き 与平

牛たん専門の和ダイニング「たん焼 与平」は、厚切り牛たんを“焼き”“しゃぶ”“刺し”など、さまざまな調理法で味わえるお店です。なかでも名物の「たんしゃぶ」はここでしか味わえない逸品。たん焼、ゆでたん、たん刺し、たんシチューなど、多彩なメニューが揃います。ワインや日本酒にもこだわりがあり、山梨県産をはじめとした厳選銘柄がそろっています。

たん焼き 与平 公式サイト

un par un(アン パル アン)

フレンチのコース料理を中心に、ランチ・ディナーともに予約制で提供。魚料理を得意とし、繊細で美しい盛り付けと丁寧な味わいが魅力です。山梨県産をはじめとする豊富なワインも揃い、料理とのペアリングも楽しめます。

horn(ホルン)

建物は3階建てで、3階には2025年11月に個室3部屋の宿泊施設がオープン予定。2階はギャラリー(現在準備中)、1階にはカフェ&バーとグローサリーショップが併設されています。1階のカフェは、静かで洗練された大人の隠れ家のような空間。無機質なコンクリートと温もりある木製家具が調和し、柔らかな自然光が差し込みます。窓の外に広がる緑や石垣を眺めながら、淹れたてのハーブティーとともに穏やかな時間を過ごせます。

horn 公式Instagram
参考:小江戸甲府こみちめぐり

甲府城(舞鶴城公園)へのアクセス方法

甲府城(舞鶴城公園)へは、電車でも車でも訪れることができます。旅の計画に合わせて、移動手段を選んでみてください。

電車でのアクセスと甲府駅からの道のり

電車でお越しになる場合は、JR中央線の甲府駅が最寄り駅です。

JR甲府駅の北口を出ると、目の前に広場があり、その広場に隣接して「甲府市歴史公園」があります。また、南口から出ると、徒歩3分ほどで甲府城(舞鶴城公園)の入口が見えてきます。とてもアクセスしやすい場所にありますので、気軽に立ち寄ることができます。

路線主要駅からの目安時間
JR中央本線 甲府駅新宿駅から特急で約90分
JR身延線 甲府駅静岡駅から特急で約120分

車でのアクセスと駐車場情報

車でお越しになる場合は、中央自動車道の甲府昭和ICから甲府城(舞鶴城公園)まで、約20分で到着します。
公園の周辺には、有料駐車場がいくつかあります。駐車場の場所や料金、利用時間は、事前に確認しておくと安心です。
週末や観光シーズンには、駐車場が混み合うことがあります。公共交通機関の利用も検討してみてください。

甲府城訪問に役立つ情報

開園時間と入場料

甲府城(舞鶴城公園)を訪れる際に知っておきたい開園時間と入場料についてご案内します。

施設名開園・開館時間休園・休館日入場料
舞鶴城公園(自由散策エリア)常時開園年中無休無料
舞鶴城公園 稲荷櫓(いなりやぐら)展示室・展望スペース午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)月曜日(※月曜日が祝日の場合は翌日)・年末年始(12月29日~1月3日)
※公園は常時開放しています
無料
甲府市歴史公園 山手御門(やまのてごもん)展示室・展望スペース午前9時~午後5時(季節により変動あり)月曜日(※月曜日が祝日の場合は翌日)・年末年始(12月29日から1月3日まで)
※公園は常時開放しています
無料

基本的に舞鶴城公園はいつでも自由に散策を楽しめます。歴史的な建物内部の見学を希望する場合は、開館時間にご注意ください。詳しい情報は、甲府市公式サイトなどで確認できます。

参考:甲府市公式サイト

まとめ

甲府城(舞鶴城公園)は、豊臣秀吉の命により築かれ、徳川家にもゆかりのある、山梨の歴史を語る上で大切な場所です。甲府駅からすぐの立地で、圧巻の石垣や復元された櫓と門、四季折々の美しい景色を楽しめます。この場所を訪れることで、戦国の世から現代へと続く時の流れを感じ、歴史の息吹に触れることができます。ぜひ、ご家族や友人と一緒に、甲府城の魅力を探しに出かけてみてください。

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